壊れる大学 2012 5 12

 日本の国際競争力が低下したと言われて久しい。
さて、2012年5月9日の読売新聞には、このような記事があります。
AO入学 企業「学力心配」
 「あなたは一般入試?」(一般入試で入学したのか)
大手化学会社の人事部長は、採用面接で必ず尋ねる。
「所属大学より、どんな入試で入ったかが重要だからだ」
 書類審査や面接で合否を決める
「AO入試(アドミッション・オフィス入試)」の入学者だと、
学力に不安があり、該当者には大学での勉強を集中的に聞く。
 ある雇用コンサルタントは、
「大学名を見て採用したら失敗が続出して、企業は懲りたようだ。
多様化を名目にした無責任入試で、
大学は、企業の信用を失った」と話す。
(以上、引用)
 こうした問題は、今から5年近く前に週刊誌で取り上げていました。
今度は、大手新聞社が取り上げていますので、
深刻な問題になっているのでしょう。
 これは、大学だけではありません。
10年ぐらい前だったでしょうか。
ある時、親戚の子供が遊びに来ていたので、こう尋ねました。
「もうすぐ運動会だね。
君は駆け足が得意だから、運動会が楽しみでしょう」
 すると、親戚の子供は、さびしそうに、こう答えました。
「ちっとも楽しみではない。
足の速い子は、速い子だけ集めて、走らせるから、
僕はビリになる可能性がある」
(足の遅い子供は、遅い子供だけ集めて走らせるそうです)
 過度に平等を求め、競争を避けた結果、
やる気のある子供の意欲を失わせています。
大学どころか、小学校から壊れているでしょう。
 日本の国際競争力が低下したと言われて久しいのは、
教育現場にも、その原因があるでしょう。
今、日本企業は、生き残りをかけて、厳しい国際競争の中で戦っています。
 「井の中の蛙(かわず)大海を知らず」
狭い世界に閉じこもって、広い世界があることを知らないという意味。
この言葉は、今の学校教育に、ぴったりと当てはまります。

壊れる大学 2012 4 8
 日本では、少子化で若者が減っているにもかからず、
大学の数が増え続けた結果、全員入学の事態となっています。
つまり、選り好みしなければ、
希望者全員が大学に入学できるということです。
 これは、質の低下を意味します。
競争がなければ、質が低下することは、歴史の鉄則です。
(もちろん、有名大学は、以前にも増して、
難関で競争率が高いことは、変わりありません)
 昔は、地方では、次々と工業団地ができましたが、
今は、次々と工場が海外に移転しています。
 減少していく工場に代わって増えたのが、大学です。
就職先として工場がなくなったので、
大学が、その受け皿となるために増えていったと言えるでしょう。
 これでは、大学が壊れてしまいます。
本来、大学というものは、教育機関であると同時に、
研究機関でもあるからです。
 大前研一氏のメールマガジンでは、
諸外国の大学事情が掲載されています。
(ドイツ)
中等教育卒業後、企業で見習い就労しつつ、
職業学校に通学する「デュアルシステム」の制度あり。
(フランス)
大学以外の高等教育機関は実学志向、産業界と緊密。
大学修了者は民間企業への就職は相対的に不利。
(イギリス)
大学在学中に就職活動をしない者が大半で、
卒業後、ボランティア活動等を経験し、就職活動することも多い。
(アメリカ)
多くの大学でインターンシップが単位認定され、
ほとんどの学生がインターンシップに参加。
(以上、引用)
 日本の大学改革は、避けて通れない問題でしょう。
国際競争を考えたら、現状では無理でしょう。
 民主党の政治家は、みんな、増税に夢中となっていますが、
本来、そういう仕事は、財務大臣の仕事です。
 教育の問題は、日本の将来を左右する重大な問題です。
それを忘れて、全員、増税に夢中となっている様子は、異常です。
 ところで、なぜ、「高専」は人気化しないのでしょうか。
一概には言えませんが、大学卒業よりも、高専のほうが就職に有利だと思います。















































































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